【映画レビュー】デイブレイカー

もやしっ子科学者のイーサン・ホークが、人類絶滅の危機に立ち上がるゾ!

私の評価:★★★☆☆

ゴア度:★★☆☆☆

監督

マイケル・スピエリッグ

ピーター・スピエリッグ

脚本

マイケル・スピエリッグ

ピーター・スピエリッグ

出演者

イーサン・ホーク

ウィレム・デフォー

サム・ニール

公開

2010年

上映時間

98分

 

■ネタバレあらすじ

時は2019年。

人類の大多数は、謎の疫病によってヴァンパイアへと変化してしまいました。

未感染の人々は、食料として捕らえられ、生き血を生産する家畜扱い。

しかして、その人類の人口比率も5%を切り、いよいよ食料の確保が難しくなってきました。

しかも!ヴァンパイヤは人の生き血を摂取しないでいると、知性をもたぬクリーチャー(コウモリ人間)になってしまうのです!!

主人公エドワードは、そんな食糧難を解決すべく人工血液の研究をしている血液製造会社の研究員。

研究は困難を極めておりました。

飢えた人々の、会社への風当たりは強く、社長であるチャールズは「早く研究成果をだせ!」とお冠です。

安定してるしいけるかも!と人体実験に踏み切りますが、人工血液輸血後に被験者は大量のゲロ噴射した挙げ句に大爆発…。

はー、後味悪いわー…って感じで帰宅中、ルームミラーに写った自分の顔に違和感を感じます。

「あれ…俺の耳でかくなってね…?」

そうです。

エドワードは人の生き血を飲むことに強い罪悪感を感じており、血液の摂取をしていなかったのです。

このままでは俺もあの化物に…。

なーんて完全脇見運転のエドワード、対向車と接触事故を起こしてしまいます。

故障した車から降りてきたのは、なんと逃亡中の「人間たち」でした。

攻撃的な相手をなだめて、自らの車にかくまいます。

警察をやりすごし、彼らを解放するエドワードに、リーダーの女オードリーは「また会いましょう」と告げると闇に消えていきます。

 

ウィレム・デフォーが最高なんだが

あらすじには出てきませんでしたが、人間側レジスタンスのリーダー格で、元ヴァンパイアで人に戻ることのできたライオネル役でウィレム・デフォーが出演しています。

車修理工で、若干ごろつき感のある無骨なデフォーはちょっと新鮮。

 

日中、UVカットモード(車の全窓を塞いで、モニタービューで運転する。かっこいい!)で改造車ぶっ放してたら事故って窓から人間大砲よろしくバーン!

日光浴びて大炎上(ヴァンパイヤだからね)、たまたま池にぽっちゃーん。

なぜだか人間に戻ってました。

 

というびっくり人間なんだけれども、なにが効いて人間に戻ったのかわからんまま、「とりまやってみよう」で自分を日光で焼くエドワードもすごい。

まあ、治療ができなけりゃ、人類絶滅&ヴァンパイアも全員クリーチャーになるバッドエンド確定ですからね。

なにより、もともとエドワードはヴァンパイヤになりたくなかったようだし。

エドワード本人による人体実験は成功して、無事人間に戻ることができてよかったよかった。

…でも、こんな過酷なこと全ヴァンパイアに施すのか…?

と思ってたら、ひょんなことから元ヴァンパイアの人間の血が、特効薬であることがわかります。

あー、血清的なやつね。と納得。

さあ、食糧問題も人に戻れば解決だ!というわけには勿論行かず。

悲しい悲しい展開に…。

 

■終盤は血肉が飛び散るゴアムービーに

血液会社の社長のチャールズには娘がおりまして。

その娘は、ヴァンパイヤになることを拒んで逃亡しておりました。

が、レジスタンス掃討作戦で捕獲され、チャールズのもとへ連れ戻されます。

未だ同化を拒む娘に、「自分にはとてもできない」からとエドワードの弟で人間狩り兵士のフランキーをけしかけます。

無理やりヴァンパイアにされた娘は、あてつけに自らの血を吸い、クリーチャーへと変貌していきます。

街では飢えた人々が次々とクリーチャーと化していました。

クリーチャーたちは鎖で繋がれ、無理やり日光のもとへ引きずり出されて焼却処分されるのでした。

自分が同化させた少女が処刑される様を見たフランキーは酷く落ち込み、そして人とヴァンパイア両方を救おうとする兄に協力するのでした。

…というのが前置き。

前半戦は、社会が抱えている問題と、追われながらも希望を捨てず強く生きる人間、そしてヴァンパイア治療法の発見という流れでした。

後半以降は、「もう誰も犠牲にする必要はないんだ。あとオードリー返せ!」と治療法をひっさげて血液会社へ乗り込むエドワードの大冒険。

エドワードの血が特効薬だと知らないチャールズを、煽りに煽って血を飲ませて人間に戻した後、飢えた獣(兵士)の前に突き出します。

大量の兵士に食いつかれて、バラバラに引きちぎられ血をすすられるチャールズ。

エエエエエドワード、やることがエゲツない。

ここから一気に絵面がモンスタームービーと化します。

悲しかったのはフランキー…。

兵士に取り囲まれて逃げ場なし!となったエドワードを救うため、ライオネルの車でぶっ込んできたフランキーですが、兵士に取り囲まれあっさり餌食に。

反発してたけどお兄ちゃん大好きっ子フランキー、生き残って兄弟仲良く世直しの旅に出ると思ってたのに!

でもチャールズと違って、食いつかれただけで遺体が綺麗なままだったのには愛を感じました。

さて現場に戻り。

フランキーの生き血を吸った者たちが人間に戻り、その人間をまた兵士が襲い、と辺りは血肉がほとばしる大虐殺の連鎖となっております。

もう画面真っ赤っ赤のどろっどろ。

前半出し渋ってた分、ここで大放出!フィーバー!!状態。

兵士同士でつぶしあいをしてくれたおかげで、エドワードとオードリーは無事生還しましたとさ。

 

モンスター系の映画ですが、あまり爽快感はなく、後味のわるーい映画でした。

エドワードの「治せるんだ!」という独白で幕を閉じるのですが、チャールズ同様「治ってもらっては困る」って人もいるだろうしなぁ。

そして、もう暴徒化するほど飢えてるヴァンパイア市民を3人でどうやって治療していくのか。

それはそれで見てみたいなぁ、と思いました。

時間の割に内容をかなり詰め込んであるので、かなり駆け足感あり。

王道からかなり外れたヴァンパイア映画なので、新鮮味がありました。

ジャンルが好きな方、主演俳優が好きな方は見る価値ありかも。